とくに注文住宅の場合に重要なのが「照明の種類をどうするか」という問題です。間取りが確定したあとに「種類だけ」決めることになるのですが、まだ広さだけしか分かっていないのに決めてくれと言われてもなかなか難しいものです。
ただ、種類はそれほど多くはありませんので、それぞれの名前と特徴をしっかりおさえて打ち合わせに臨みましょう。
照明器具を施主支給したいと考えている場合は、そもそも施主支給が可能かどうかも事前に確認しておく必要があります!
照明器具の種類とその特徴
シャンデリア(多灯タイプの照明)
この投稿をInstagramで見る
「シャンデリア」と聞くとどうしても洋風で装飾が施された上品なイメージのシャンデリアをイメージしますが、実際には小さいライトが複数集まった多灯タイプの照明器具を指します。
勾配天井のリビングなどでよく見られるシーリングファンライトもこのシャンデリアに分類されます。
シャンデリアを選ぶときのポイントやおすすめの場所
- リビングに使われることが多い
- ホコリがたまりやすく、細かいデザインのものだと掃除しにくい
- 吹き抜けや勾配天井に設置するならシーリングファンつきのシャンデリアもある
- 調光・調色機能があるのが望ましい
シーリングライト
この投稿をInstagramで見る
シーリングライトはもっともシンプルなタイプの照明で天井(シーリング)にくっつけるように設置するタイプのものです。部屋全体を照らしてくれるが、デザインはそれほど豊富ではありません。リビングのほか、寝室や子ども部屋に使われることが多いです。
シーリングライトを選ぶときのポイントやおすすめの場所
- リビングや寝室に使われることが多い
- デザインのバリエーションが少ない
- 電器屋や家具の量販店などで安くで買える
- 調光・調色機能があるものが望ましい
ペンダントライト
この投稿をInstagramで見る
ペンダントライトは天井からコードで吊り下げるタイプの照明器具です。シェード(かさ)の素材・デザインが大変豊富で部屋ごとにどのライトを置くのかを考えるのが楽しいです。
ペンダントライトを選ぶときのポイントやおすすめの場所
- ダイニングテーブルの上部によく使われる(2〜3灯並べて)
- その他、玄関・トイレなどでもよく使われる
- トイレで使う場合は明るさに注意
- 簡単に取り替えができる
- LED一体型のタイプがある(電球だけの交換ができない)
ペンダライトの注意点としては、「コードの長さ」や「かさの形状」によって明るさや照らす範囲が大きく左右されるという点です。コードが長ければ照らす範囲は狭く・明るくなりますし、かさが大きくても照らされる範囲が狭くなり天井が暗くなりやすいという傾向があります。
ダウンライト
この投稿をInstagramで見る
天井に埋め込まれた照明器具。見た目はたいへんシンプルですが、明るさや色のバリエーションがさまざまで、また配置がかなり難しく、単純に等間隔に並べただけではフラットで表情に乏しい空間になる可能性もある、意外と難しい照明器具でもあります。
ダウンライトを選ぶときのポイントやおすすめの場所
- 明るさ・色・配置レイアウト・個数などを決めるのがかなり難しい
- 天井に埋め込むので、空間が広く見える効果がある
- 他の照明器具に変更するのが難しい
スポットライト
この投稿をInstagramで見る
スポットライトはそのイメージから狭い範囲に強い光を放つイメージがありますよね。基本的には部分照明として使うことになりますが、たくさん使ったり、角度を変えたりすることもできますし、使い方の幅はもっとも広いと言ってもいいかもしれません。
スポットライトを選ぶときのポイントやおすすめの場所
- 梁や天井にダクトレールを使えばシャンデリアとしても使うことができる(全体照明)
- 角度の調整をすれば点灯時の部屋の雰囲気を変えることもできる
- クリップタイプなら棚などに取り付けることも可能
デーブルスタンド
この投稿をInstagramで見る
テーブルスタンドは寝室のベッドの横にあるような卓上で使用する部分照明です。狭い範囲を照らすので、読書時や作業用の照明器具として使われることが多いです。
テーブルスタンドを選ぶときのポイントやおすすめの場所
- 入居してから検討してもOK
- 手元を照らすための照明器具
- 卓上または床に置くので、スペースがそれなりに必要
フロアスタンド
この投稿をInstagramで見る
フロアスタンドはコンセントに繋いで床に置いて使うタイプの照明器具です。背の高いものから床の上で光るものがあり、家具屋などでも安価で手に入れることができます。入居後に必要に応じて購入するといいでしょう。
フロアスタンドを選ぶときのポイントやおすすめの場所
- インテリア(見た目)目的で置いてもOK
- 入居してから検討してもOK
- 部屋の一角を照らすための照明器具
- 床に置くので、スペースがそれなりに必要
- 背の高いものは転倒注意
ブラケットライト
この投稿をInstagramで見る
ブラケットライトは壁の上部などに使われるタイプの照明器具ですが、取付工事が必要なので後付けが難しいです。賃貸などではまず取り付けられないと考えてください。マイホームづくりの打ち合わせ段階で決める必要があります。
ブラケットライトを選ぶときのポイントやおすすめの場所
- 取付工事が必要で、あとで取り替えることはできない(難しい)
- 外壁(屋外)や洗面所の鏡の上部などに使われることが多い
照明の種類や器具を選ぶときに検討したいポイント
空間の広さと雰囲気をよく考える
リビングは明るいほうがいい場合がほとんどですが、トイレなどは「ちょっと暗めのほうが落ち着く」という人もいます。
LED一体型などの場合は、「明るさ(ルーメン)」や「何畳用」といった記載がある場合がありますが、それを鵜呑みにしてしまうと想像していたのと違う空間になるかもしれません。
照明のデザインが部屋のテイストや家具と合うか
照明器具に限ったことではありませんが、部屋のテイストに合わないデザインの照明を選ぶと雰囲気がぶち壊しになります。床の色や壁紙の色・模様などのバランスなどを考慮して総合的に「そのデザインの照明器具でいいか」を判断しましょう。
照明器具自体または電球の取り替えが自分でできるかどうか
LED一体型の場合、電球のみの交換ができません。LEDは非常に寿命が長いですが、切れた場合は器具ごと新しいものに更新する必要があります。また、電球の取り替えはできても器具自体が交換できない場合もあります。ブラケットライトなどはそういうタイプのものが多いです。
「引掛ローゼット」や「引掛シーリング」がついている天井であれば、タイプが同じ照明器具なら器具ごと交換が可能です。
調光・調色タイプにしなくていいかどうか
リビングや子ども部屋などは調光・調色ができるタイプの照明器具を選ぶと過ごしやすい空間になります。
色の分類 | 説明 |
---|---|
昼白色 | 青白い光。勉強や読書などに最適な色。 |
温白色 | 昼白色と電球色の中間の光。リラックスしたいときなどに最適。 |
電球色 | 黄色っぽい光。食事時などに適した色。 |
明るさや色味を調節できるようにしておくことで、同じ部屋でも過ごし方に応じて雰囲気を変えることができます。
まとめ:失敗のない照明計画を
この記事では照明の種類と選ぶ際に検討したいポイントをまとめてご紹介しました。ダウンライトやブラケットライトなどを新しいマイホームで使いたい場合など、あとになって取り替えがきかないことも多くあります。打ち合わせをしっかり行い、失敗のない照明計画を練りましょう。