家を購入するときはほとんどの人は住宅ローンを組むと思います。そのときに頭を悩ませるのが「頭金をどうするか」という問題。今の自分たちの貯蓄状況だけでなく、毎月の支払い能力など将来的なことを考慮して決めなければなりません。
僕たち夫婦の場合は、頭金ゼロのフルローンを組みました。では、頭金ゼロであれば本当に毎月のローンの返済分だけしかかからないのか?もちろん、そんなわけはありません。
僕たち夫婦が頭金なし(フルローン)でマイホームを建てた理由
貯金がまったくないわけではないけど手元にまとまったお金を残しておきたかった
僕たち夫婦が頭金なしのフルローンを組んだ理由がこれです。頭金を出せないというわけではありませんでしたが、これからまとまった出費が家のこと以外でも発生すると想定されました。
そのひとつが車の買い替えでした。僕たちは二人とも普通車に乗っていたのですが、2台同時に分かれて乗るということは少なかったし、また平日は2台とも通勤にしか使いません。
普通車だと車検や自動車税が高いため片方を軽自動車に買い替えたのですが、残価設定型クレジットを利用し、かつ頭金を25万ほど払いました。
このようにイレギュラーでまとまったお金が必要になる場面が発生すると思ったので、できるだけ手元にお金を残しておきたかったということです。
住宅ローンの頭金の有無による違い
頭金なしのメリット・デメリット
では、住宅ローンの頭金のあり・なしによって、どのような違いがあるのでしょうか。以下のようにまとめてみました。
頭金なしのメリット
- ローン残高が大きくなるので住宅ローン控除の恩恵が大きくなる(場合がある)
- すぐに購入を決めることができる
- 手元に貯蓄が残る
住宅ローン控除はローン残高の1%が控除される制度です。頭金なしということは借入額が多い、つまり残高が大きいので控除される金額も増えます。
ただし、所得税+個人住民税の合計が上限になるため、人によっては(借入額に対して収入が少ない)この恩恵が発生しない場合があります。
住宅ローン控除については以前記事を書いているのでそちらも参考に。
また、頭金を貯める期間が短縮されるので、早く土地を買ったり家を建てたりすることができます。とくに土地は早い者勝ちですからね。
頭金なしのデメリット
- 毎月の返済額が大きくなる
- 借入額が増えるので、金利手数料の分だけ総返済額が増える
デメリットは当然、借入額が増えるので毎月の返済額が大きくなるということです。
また、金利手数料も頭金を渋った分に対しても余計にかかるため、返済の総額がかなり増えてしまいます。将来的に繰り上げ返済を考えていく必要が出てくるかも。
頭金ありのメリット・デメリット
頭金ありのメリット
- 毎月の返済額と返済総額が少なくなる
- 審査に通りやすくなる
頭金ありの場合のメリットですが、当然毎月の返済額が少なくなります。
これは頭金なしの場合のデメリットの反対ですね。
また、申込みの金額が少なくなるので、ローン審査に通りやすくなります。逆にいうと、頭金を出して金額を下げないとローンに通らないこともあるってことです。
頭金ありのデメリット
- 貯蓄額が減ってしまう
頭金ありのデメリットはこれくらいでしょうか?いま手元にあるお金が減ってしまうということです。将来的に大きな出費があるかもしれないので注意しましょう。
頭金なしでも手出ししないといけないお金
仮に頭金なしで住宅ローンを組むとした場合でも、一時的に手出ししないといけないお金がけっこうあります。これらのうち住宅ローンに組み込むことが可能な場合ものもありはしますが、現金が先に必要になるので貯金がないとけっこうきついです。
もちろんローンに組み込めたとしても、その分の金利手数料分は余計にかかるお金となるので、余裕があるならローンには組み込まず手出ししたほうがいいと思います。
土地契約の際の仲介手数料など
まず、土地を購入する場合はふつう仲介手数料が発生します。400万円以上の場合は、「土地代の3%+6000円」なのでけっこうな負担になります。
が、なんと僕たちの場合は土地を見つけて購入した経緯がちょっと特殊だったこともあり、また、不動産会社がどうしてもこの土地を早く売りたかったらしく仲介手数料が無料になりました(笑)。
建物の契約金
これは工務店との契約のときにかかるお金です。
僕たちがお願いした工務店では、「どれだけ出されるかはお任せします」ということでしたが、現金で50万円を支払いました。ただ、これは住宅ローンに含めたのであとで返ってきました(もちろんこの分の金利手数料は払うことになりますが)。
この分のお金を住宅ローンに入れなければ、頭金を出したのと同じことになりますね。
ちなみに50万円は手渡ししたのですが、大金を持って移動するのってかなり緊張しました(笑)。
地鎮祭や上棟式にかかる費用(お供え物・お初穂料)
建売ではない場合は、地鎮祭や上棟式があると思います。
地鎮祭の場合は神主さんなどにお支払いするお初穂料やお供え物、上棟式の場合は棟梁さん・大工さんなどに渡すお礼金や餅投げのときにまくお餅やお菓子代などもかかりますね。
家具・家電
新しい家に住むとなると、家具や家電を一新したいですよね。
取り付け工事が必要な照明器具・エアコン・カーテンなどは最初から建築費用とともにローンに組まれるのが想定されていますが、我が家の場合はそれ以外にもソファやダイニングチェアなど単品で使える家具・家電もローンに含めてもらうことができました。
できるかどうか、どこまでできるかは工務店に相談する必要があります。
マイホームづくりをしていると数十万・数千万という単位でお金の話をするので、「数万円の家具や家電をローンに入れてもどうってことないよね」という感じで金銭感覚がほぼ必ず麻痺します!その点注意しておいたほうがいいと思われます。当然その分返済総額が増えるんですがね…。
引っ越しのごあいさつ時に近隣のお宅に渡す粗品
これも全体から見ると大したことない金額なんですが、件数や品物によってはけっこう高くつくかもしれません。いくらあっても困らない洗剤の詰め合わせなどが無難でしょう。
上棟祝いや新築祝いのお返し
友人や家族などから上棟祝い・新築祝いなどをもらったらお返しをする必要があります。お祝いを現金でもらった場合は、差し引いてもプラスになるとは思いますが。
などなど、他にもあると思いますが、我が家の場合は総額で100万円弱は一時的に手出ししました。
将来的に住宅ローン以外でも払わないといけないお金
また、家を購入した場合は将来的に家のメンテナンス費用だったり固定資産税などまとまったお金が継続してかかるので、それも頭に入れておく必要があります。
まとめ
住宅ローンを頭金なしで組みたい場合の注意点をまとめると
- 頭金なしでいきたい旨を工務店にあらかじめ伝えておき、どこまでローンに含められるかを確認しておく
- 土地の仲介手数料、建物の契約金でかなりまとまったお金が要る
- それ以外にも、頭金なしでも手出ししないといけないお金がけっこうある
- 返済総額が増える(金利手数料が占める割合も増える)
といったところでしょうか。いつどういったお金がかかるのか、工務店に確認しておく必要がありますね。
住宅ローンの組み方に関しては人それぞれ年齢・収入・家族構成などの条件が違うので正解はないと思います。自分に合った返済計画を立てる必要があります。