ブログの記事もそうですが、文章を書いていると自分の語彙力の低さに嫌気が差してくることがあります。
- あれ?この言い回しや語尾、さっきも使ったな
- もっとしっくりくる表現がありそうなのに思い浮かばない(思い出せない)
- 他のブロガーさんみたいにもっとたくさんの言葉を使って表現豊かな文章を書きたい!
というような悩みですね。
語彙力を身につけるにはまったく新しい言葉を知ることも重要ですが、現時点の自分が知っている他の言葉に言いかえることができないかを調べてみることも必要だと思います。
「千と千尋の神隠し」で銭婆が千尋へ伝えた名セリフ
「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで。」
頭の中にある言葉というのは記憶の形のひとつですよね。自分はもっとたくさんの言葉を知っているはずなんです。ふだんから使わないから思い出せなくなる。
そこで、類語辞典を使ってそれらを思い出し、実際に使ってみることで自分が吐き出す文章に定着させてみようというのが今回のお話。
類語辞典って?
「類語辞典」とは、文字通り類語(似たような意味を持つ言葉)を調べることができる辞典です。英語では「Thesaurus(シソーラス)」というようです。
類語辞典はもちろんWeb上にもあります
僕がふだん使っているのは「Weblio類語辞典」です。ブログを書きながら調べられるので大変便利です。
この記事ではWeblio類語辞典を使った言いかえ例をご紹介したいと思います。
たとえばこんな文章も言いかえることができます
たとえば「分かりやすい言葉で書く」という文章があるとします。
これらを「分かりやすい」「言葉」「で」「書く」と分解しそれぞれ類語辞典で類語を調べてみます。
ちなみに検索すると分かりますが検索結果のページに「意義素(いぎそ)」という言葉が出てきます。
意義素とは、「意味上のまとまり」のことで簡単にいえばニュアンスのようなものと認識しています。
検索結果では、この意義素ごとに分かれて類語の一覧が表示されるので前後の文脈などに応じて選ぶようにします。
「分かりやすい」
【検索結果】分かりやすいの同義語 – 類語辞典(シソーラス)
まず、「分かりやすい」の意義素ですが、以下のように分類されています。
- はっきりしているさま
- 文章や話の内容が簡単で分かりやすいさま
- 道具やサービスが利用しやすいさま
- 性質や状態が容易に理解できるさま
本来は前後の文脈や自分の意図していることから選ばなくてはいけませんが、
ここでは2の「文章や話の内容が簡単で分かりやすいさま」にしておきましょう。
- 分かりやすい
- 簡潔
- 明瞭
- 簡潔明瞭
- 簡単明瞭
- 簡明
- 俗耳に入りやすい
- 理解しやすい
- 容易な
- 明快な
- 手短か
- 簡略
- 平易
- 平明
といった単語が表示されます。
どれも見た/使ったことがあるような言葉たちですが
いざ自分で文章を書くとなった場合にどれだけスッと出てくるでしょうか。
また、個人的には
類語辞典で初めて見た単語はいきなり使わないようにしています。
あくまで、自分がすでに知っている単語を使って言いかえます。
どうしても「この単語を使ってみたい」という場合は
国語辞書を使って意味や用例を調べてからにしましょう。
「言葉」
続いては「言葉」という単語。
こちらも意義素がいくつかありますが
「何かを言葉で表現するときの方法」ということにしておきましょう。
- 言いまわし
- ディクション
- 単語の選択
- 言葉遣
- 辞
- 言い方
- 言葉付き
- 辞遣い
- 言回し
- 言い様
- 物言い
- 口跡
- 言様
- 措辞
- 言葉使い
- 言いよう
- 言葉遣い
- 語法
- 言い廻し
- 言い回し
- 口回し
- 言葉づかい
- ワーディング
- 口気
- 言辞
今度はなかなか難しい単語も出てきましたね。
「で」
「で」は検索しても期待通りに結果が出てきません。
こういうものは自分の中で言いかえて検索します。
ここでは「で」は「~を使って」という意味ですよね。
なので「使って」で検索します。
「使って」の意義素は「物や道具を使用し何かするさま」だけです。
- 駆使して
- 以って
- 以て
- 利用して
このように事前に自分の中で噛み砕いて検索しやすいようにする作業も必要ですね。
「書く」
最後は「書く」。意義素は「書面で連絡する、または表す」とします。
- 書きおろす
- 書きつづる
- 筆記
- 書き下ろす
- 書き下す
- 認める
- 記す
- 書き送る
- 書きあらわす
- 書表わす
- したためる
- 執筆
- 書き表わす
- 書下ろす
- 書する
- 物する
- 書き綴る
- 著わす
- 綴る
- 書表す
- 著す
- 呵する
- 著述
- 書きおくる
- 表記
送り仮名の違い(表記のゆれ)でたくさんあるように見えますが、
よく見るとそれほど多くはなかったですね。
「分かりやすい言葉で書く」を類語を使って言いかえると
以上の結果をうまく組み合わせて同じ意味を持ち、
かつ、いつもと違う表現で文章を作ります。
ここで大事なのはすべての単語を言いかえてしまわないことです。
全部を変えてしまうとかえって分かりにくくなったり、
あるいは不自然な文章になってしまったりすることがあります。
- 理解しやすい言葉遣いを使って書き表す
とすると、なんか回りくどい感じがしますよね。
もちろん前後の文章と繋げたときに不自然でなければ、
そして自分が意図するニュアンスに合っていればこれでもいいとは思います。
たとえば、
- 理解しやすい言葉遣いで書く
- 分かりやすい言葉を使って綴る
といった感じが自然な表現になっていると思います。
まとめ
類語辞典を使うときは
- 単語によっては検索結果が出てこないものもあるので、その場合は自分の中で言いかえてから検索する(「~で」→「~を使って」)
- 基本的には自分が知っている単語の中から選んで言いかえる
- 検索結果で初めて知った単語は選ばない(使う場合はよく調べる)
- すべての単語を言いかえようとしない
これらに注意して文章を新しく考え直します。もっとも大事なのは「一度使った言いかえ表現は自分の表現として定着させること」だと思っています。
文章を書くうえでの置き換えで大事なのは、言葉そのものだけではありません。同じ言葉でもひらがなで書くか、漢字で書くかによって見る人に違う印象与えることもあります。