子どもは2歳ごろから「なんで?」「どうして?」という疑問を投げかけるようになりますよね。うちの息子も現在小学2年生です。学校で習ってきたけどよく理解できていないことや、自分で教科書や本などを見て感じて疑問に思ったことをふとしたときに聞いてきます。
できるだけ答えてあげたいところですが、大人でも「あれ?習った記憶があるけどよく思い出せないな…」と戸惑ってしまうことがよくあります。そんなときは正直に「忘れちゃったから、いっしょに調べてみようか」と提案し、一方的に教えるのではなく、ものごとを調べる方法をそれとなく教えてあげることが必要だと考えています。
スマートフォンでググれば知りたい情報にすぐにたどり着けますが、息子にはスマートフォンをまだ与えていないので、できるだけ家にある教科書や本を使います。また、スマートフォンの代わりに電子辞書は持っているので、それを使うこともあります。
電子辞書は昨年のクリスマスにサンタさんが持ってきてくれました
というわけで、今回の疑問は記事タイトルにもあるように漢字の部首に関するものでした。
漢字が好きな小学生の息子からの疑問
息子は算数はちょっと苦手ですが、字を書いたり読んだりするのは好きなようです。とくに漢字が大好きで、習った漢字を組み合わせて自分だけの新しい漢字を作ってみたりして遊ぶこともあります。
そんな息子が先日僕に投げかけてきた疑問がこちら。
「金」とか「全」とか「会」の部首名は何ていうの?
部首の概念は小学3年生で習うようですが、僕が以前「『氵(さんずい)』は水に関係がある漢字につくことが多いんだよ」と教えてあげたのをきっかけに興味を持ったようです。そこに上記の質問。
お、おう…忘れちゃったな~じゃあ今回は「オールカラー学習漢字新辞典」で調べてみよう
「オールカラー学習漢字新辞典」とは?
我が家にある「オールカラー学習漢字新辞典」は、息子が保育園を卒園するときに小学校生活へ向けての記念品としてもらったものですが、小学校で習うすべての漢字の「使い方(用法)」「意味」「なりたち」「筆順」が学年ごと、部首ごとに収録されていてとても分かりやすい漢字辞典です。
なによりオールカラーなので見やすいです
また、巻末に「総画さくいん」「部首さくいん」の2つのさくいんが掲載されています。「部首さくいん」が今回の疑問を解決するには最適ですね。
「金」はその漢字そのものが「かね」という部首
まず、「金」という漢字ですが、これは「金」そのものが「かね(金)」という部首名でした。ちなみに「かね」(または「かねへん」)がつく漢字で小学校で習うのは以下。
- 金
- 針
- 鉄
- 鉱
- 銀
- 銭
- 銅
- 録
- 鋼
- 鏡
「全」「会」の部首名は「ひとやね(𠆢)」だが…?
次に「全」ですが、こちらはこの漢字辞典によると「ひと(人)」という部首。「ひと」は「にんべん(亻)」と「ひとやね(𠆢)」の2つがありますが、「全」は「ひとやね(𠆢)」です。
「にんべん(亻)」または「ひとやね(𠆢)」が部首の漢字は53個ありますが、このうち「ひとやね(𠆢)」の漢字は
- 今
- 令
- 会
- 全
- 余
- 舎
- 倉
です。また、変わったものとしては「以」という字も「ひと」の部のようです。そして、間違えやすい漢字として掲載されていたのが、「命」「食」で、これらはそれぞれ「くち(口)」「しょく(食)」が部首だそう。
「食」が部首なのは「金」と同じイメージだね
なんで「命」は「口」なんだろう…
(新たな疑問が…)
「全」についての補足
「全」の部首は「オールカラー学習漢字新辞典」では「ひとやね(𠆢)」とありましたが、ネットなどで調べてみると「いりやね(入)」と書かれているもの、「ひとやね(𠆢)」と「いりやね(入)」の両方と書かれているものもありました。
もともと「全」は詮索の「詮」のつくりの部分のように頭に「かえし」があったのが、時代の移り変わりとともに無くなり「ひとやね(𠆢)」と同じ形になったという背景があるようです。
【おまけ】「合」の部首名は「くち」
おまけっていうかわりと大事なのですが、「合」という漢字の部首名はなんと「くち(口)」。
ただ、漢字のなりたちを調べればその理由を理解できます。もともと「亼(しゅう)」+「口」で「合」という漢字ができたので、「ひとやね(𠆢)」ではない。「亼」そのものの部首は「ひとやね(𠆢)」ですが、この漢字はほかの漢字を構成するためのパーツとしてしか使われないようですね。
部首は奥が深い
というわけで、当初の疑問については子どもと一緒に調べて解決することができました。
- 「金」=「かね(金)」
- 「全」=「ひとやね(𠆢)」(もともとは「いりやね(入)」)
- 「会」=「ひとやね(𠆢)」
部首ってなんとなく分かったつもりでいましたが、調べてみると難しいものだと感じました。疑問を解決するための答えをただ単に調べるだけでなく、その背景や経緯まで調べたり、それを踏まえて他の漢字や部首のことを調べると、より理解が深まり、子どもの記憶にも残りやすいと思います。
さて、次はどんな疑問が来るのか楽しみにしているぞ。